塾で一番大変なのは勉強の目的を持たせること?

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高校1年生からずっと担当だった塾の教え子(以下、彼女)が今年3年生になりました。

今年は命運を分かつ大学受験です。

 

塾講師経験者の方々に訊きたい…塾講師で一番大変なのは「勉強に目的を持たせること」ではないではありませんか?

初めての授業は緊張した顔をしていましたが、1時間もすると高校生らしい笑顔を見せてくれました。

何回も授業を担当していき、お互いの関係性が出来上がると彼女の本音を聞かせてくれるようになりました。

 

「将来なんてどうでもいい」と叫ぶ高校生

「この勉強が何の役に立つの?」

「どうせ受験にしか使わないんでしょ?」

「なら私、勉強する必要ないじゃん。だって、大学行きたいと思ってないもん」

「就職もしたくない、ニートでもいい。将来なんてどうでもいい」

 

勉強に行き詰まると、彼女は決まって勉強に対する不満をぶちまけていました。

こうなると非常に困る。全く問題を解いてくれなくなります。

 

『塾講師』の正解は、問答無用に勉強させることなのでしょうが、私はそれができませんでした。

まるで自分の妹のように情が湧いていたからかもしれません。

 

どうして16歳の女の子が将来を悲観し、諦めているのかを探っていきました。

 家庭の問題とイライラ

彼女は家族とうまくいっていない様子でした。

思春期も相まって、親御さんともっとうまくいかない。

 そんな彼女を親御さんもどう扱ったらいいかわからない…。

 

そんな不安とイライラと、寂しさが勉強に対する不満として表出していたのだと思います。

それに、高校の人間関係も難しいもんね!

将来の希望を語ることならできる

私は彼女に「将来の希望を語りたい」と強く思いました。

 

大学にいったら色んな人や世界に出会えるよ。バイトもできるし、自分のお金で好きなことやりたい放題!

もちろん、髪形もメイクも自由。ピアスだって開けられるんだから。

今みたいに強要される勉強ではなくて、自分の好きなことを好きなだけ学べるんだよ。

 

こんな話を毎授業していました。

今置かれている状況から将来を悲観するのではなく、もっと将来に希望を持って欲しいと思いました。

寄り添いながら合格をつかみたい

こんな話のおかげか否か、彼女は行きたい大学と学びたい学部を見つけ、受験勉強に精を出しています。

私が何も言わなくても、自主的に勉強してわからない問題をまとめてくれます。

 

本当に大きくなったなと感動する反面、あと半年で「塾の生徒と先生」という関係が終わる寂しさを今度は私が感じさせられています。

 

 

もし高校1年生の時、「勉強なんて意味ない」という彼女に対して

「そんな無駄なこと考えている暇があったら勉強しろ」と突き放していたらと思うとゾッとします。

 

教師になってからも、子どもの表出に隠された思いを考えることを忘れないようにしたい。